2012年1月31日火曜日

旧友と


中学校の同級生が新宿で寿司屋を開店したと聞き、友人と訪れた。

ちょうど十年ほど前、彼が修行をしている寿司屋を訪れて以来だ。
彼いわく、「あの頃はまだ握らせてもらえなかった」頃。

カウンター六席、メニューなし。
知り合いでなかったら、
なかなか店の引き戸を開く勇気がでないのが正直なところ。
でも一度足を踏み入れると、
そこは温かな気のながれる素敵な空間がひろがっていた。
 たこの煮物、自家製のからすみ。
一番右は、名前を忘れてしまった。
おろしたての山葵は、香りがよいのにつんとこない。
をつかっていないという茶碗蒸し。
蓋をあけたほんの一瞬、
ゆずの香りが立ちのぼり心が喜んだ。
ひとすくい。
ほんわり。
口の上でとろける。




私は、お寿司の通ではないから詳しいことはよく分からない。
でも。
次々と握られるそれらは、新鮮でとにかくおいしい、
ということは十分すぎるほど分かる。
どれも清くてやさしい味、だと思った。

私たち三人と店主。
同窓会のように、昔話に花が咲いた。
美味しくてあたたかな時間でした。