2010年10月13日水曜日

グレープフルーツ



最近、さわやかなお天気が続いていますね。
自転車で出かけると秋風と共に金木犀の香りがふわっとやってきて
もう心地よすぎて自ずと笑ってしまいます。
笑顔でサイクリング・・・ちょっと怪しい人です。

今日はグレープフルーツにまつわるお話をひとつ**☆;・*

私はグレープフルーツが大好きです。

綺麗なレモンイエロー色
まんまるな形
甘酸っぱい味
そして、あの香り。

切った瞬間に香ってくるあのグレープフルーツの香りったら、
一瞬で私をハッピーにしてくれます。
もちろん、グレープフルーツの精油も大好きです。

ハーブショップで働いていたある日、
上品な雰囲気の老夫婦がご来店されたことがありました。

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「なにかグレープフルーツの香りがすぐ嗅げるようなもの、ないかしら?」

甲高い可愛らしい声でご婦人が私に尋ねた。
具体的にどう使いたいのかなど質問してみたところ、こんなお話が返ってきた。

「夫がね、短気ですぐ怒るので困っているのですけれど、
隣でグレープフルーツを剥いているときだけすぐに機嫌がよくなるのよ。
こうやってね、夫に向けてグレープフルーツの皮をね、ピュって押しつぶすんです。」
と、実演してみせてくれた。

「そうなんだよ。あの香りは、気分が良くなるんだよねえ。」
隣でうんうんと頷いているご主人。

真剣なまなざしでそのようなことを仰るお二人・・・なんて可愛らしい老夫婦なのだ。

なるほど〜、確かに一理ある。
グレープフルーツの精油の芳香成分が脳に働きかけ、
エンケファリンという幸せな時に分泌される脳内麻薬を出しやすくする
ともいわれている。
グレープフルーツの果皮は精油の基であり、
ぴゅっと皮をしぼった時にでる香りで気分がよくなることは
香りによる反応のひとつといえる。

私は、グレープフルーツの精油を使用方法とともに紹介した。
珍しそうに精油のボトルを眺め、そして次にお二人交互に香りを嗅いだ。
「これなら、毎回グレープフルーツを剥かなくていいわねえ。」
「うん、いい香りだ。」

その店舗ではグレープフルーツとピンクグレープフルーツの2種類の精油があり、
ピンクグレープフルーツの香りをお気に召されて購入されていった。

数週間後。
「また同じ精油をください」と老婦人がお一人でいらした。
グレープフルーツの香りをお部屋に焚いてみての感想を尋ねると、
「夫の怒る回数が減ったわ〜。効果があるみたい。」
穏やかな優しい笑顔で老婦人は答えた。
そして私に大きな綺麗なレモンイエローのグレープフルーツを2つくださった。
「これ、この時期しかないとっても美味しいグレープフルーツなのよ。」と・・・。

本当にそのグレープフルーツは美味しくて、
老婦人の心遣いの温かさと共に私の心に染み渡った。

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秋を感じる @ Train Cafe